AI技術の発展に伴い、文章の校正や推敲にAIを活用する機会が増えています。しかし、AIから返ってきた指摘をそのまま受け取って修正してしまうと、本来伝えるべき事実が失われたり、誤った情報が掲載されたりすることがあります。AIは便利な道具ですが、その指摘が常に正しいとは限りません。本記事では、Miravitaにおけるジャーナル記事公開前の検査体制や、実際にAIによる確認を行った際の具体的な検証結果をもとに、AIの指摘をそのまま受け入れてはいけない理由を解説します。記事の品質を保ちながらAIを効果的に活用するための方法を整理しました。
この記事を3行で解説
- AIによる文章校正の指摘には誤りが含まれることがあり、そのまま受け入れると事実が失われる可能性があります。
- Miravitaでは機械、AI、人の3段階の検査体制を構築し、AIの指摘を人が判断して取捨選択しています。
- 実際の検証において、AIが提示した不適切な訂正文や事実と異なる指摘を、人の判断によって退けています。
Miravitaにおけるジャーナル記事の3段階検査体制
Miravitaでは、ジャーナル記事を公開する前に3段階の検査を通する体制を整えています。この体制は、機械による自動チェック、AIによる高度な確認、そして最終的な人の目による判断という3つの異なるアプローチを組み合わせたものです。それぞれの段階に明確な役割を持たせることで、効率性と正確性の両立を図っています。詳しい検査の流れについては、Miravita of Quality Control Processで紹介しています。
1段目の機械検査で判別できることと限界
1段目の機械による検査では、あらかじめ設定されたルールに基づいて、語や形で判断できるものを検出します。具体的には、最上級や断定の表現、測定条件の記載がない数値、出典の示されていない断定の言い回しなどを機械的に見つけ出すことができます。これにより、基本的な表記ルールへの適合性を素早く確認できます。
しかし、この機械検査には限界があります。事実と違う記述や、確認の取れていない事例については、機械の検査では見つけることができません。これら2つの要素は、記事の内容を正しく知っている人にしか判断できないため、機械的なチェックだけで公開に進めることは避ける必要があります。
2段目のAIによる確認で検出された4つの表現
2段目のAIによる確認では、1段目の機械検査では拾いきれなかった、より複雑な書き方を指摘することに成功しています。実際に検出されたのは、以下の4つの表現です。
1つ目は、漢数字で書かれた数値です。2つ目は、「一般的に」などの合図となる言葉を使わない形での一般化です。3つ目は、「唯一」という語を使わずに唯一性を示す表現です。4つ目は、日付の辻褄が合わない記述です。このように、AIは言葉の表面的な一致だけでなく、文脈を考慮した指摘を行うことができます。
ただし、日付の辻褄を正しく判断させるためには、その日の日付をあらかじめAIに渡しておく必要があります。この情報を渡さない状態では、AIが下した判断の理由が正しくならなかったことが分かっています。AIの能力を発揮させるためには、前提となる情報を適切に与える必要があります。
AIの指摘をそのまま受け入れてはいけない理由と検証結果
AIの指摘が常に正しいとは限らないため、返ってきた指摘をそのまま受け取るべきではありません。AIは文章の不自然さや論理的な矛盾を指摘する能力を持っていますが、文脈や事実関係を誤解したまま指摘を行うこともあります。Miravitaにおける実際の検証結果がこれを示しています。
2026年8月の検証における指摘と却下事例
2026年8月に記事3本をAIに確認させた際、合計13件の指摘が出されましたが、そのうち2件は採用せずに退けました。
退けた1件目の指摘は、自社の名称そのものに対して「掲載の許諾が確認できない」とする内容でした。自社の名称であるため、掲載に許諾は不要であり、AIの指摘が誤っていた事例です。
退けた2件目の指摘は、確認済みの数値に対して測定条件がないとする内容でした。この指摘通りに修正すると、数値そのものが記事から消えてしまう状態でした。このときは、数値を残した上で、数え方を書き足す形で対応を行いました。このように、AIの指摘をそのまま受け入れると、本来伝えるべき重要な事実が失われてしまうことがあります。
2026年9月の検証における指摘と却下事例
2026年9月に別の記事3本を確認させた際にも、合計9件の指摘のうち2件を退けています。
このときの指摘は、管理画面の操作手順について、こちらで確認できなかった方法を「できる」と書くよう求める内容でした。確認できない操作手順を掲載することは情報の正確性を損なうため、この指摘は採用しませんでした。AIは時に、事実に基づかない架空の手順や機能を提案することがあるため、その内容が真実であるかどうかを人が検証することが不可欠です。
AIが提示する訂正文の危険性と運用のルール
AIは指摘だけでなく、具体的な訂正文を提示することもあります。しかし、MiravitaではAIが出す訂正文をそのまま反映しない運用にしています。なぜなら、AIが作成した訂正文の中に、不適切な表現や架空の情報が混ざり込むことがあるためです。
訂正文に混入する不適切な表現と架空の情報
実際に、AIが提示した訂正文の中に英単語が混ざり込んでしまった例や、実際には受け取っていない顧客の声が勝手に書き足されてしまった例が確認されています。このような訂正文をそのまま公開してしまうと、メディアの信頼性を大きく損ねることになります。AIは文章を整える過程で、事実らしく見える嘘や不要な情報を付け足す傾向があることを認識しておく必要があります。
最終的な公開操作を人が行う重要性
どれだけ検査のプロセスを通したとしても、最終的な判断と公開の操作は人が行う必要があります。Miravitaでは、検査を通した後であっても、公開の操作は人が行うこととしており、自動で公開する仕組みは用意していません。AIの指摘や提案はあくまで参考情報であり、最終的な品質責任は人が負うという姿勢が、信頼性の高いコンテンツ発信には欠かせません。
よくある質問
Q1: AIによる文章検査と機械による検査の違いは何ですか?
A1: 機械による検査は、最上級や断定の表現、測定条件のない数値など、語や形で判断できるものをルールに基づいて検出します。一方、AIによる検査は、漢数字の数値や、特定の言葉を使わない一般化・唯一性の表現、日付の辻褄など、機械検査では拾えない複雑な書き方を検出できます。
Q2: AIの指摘を退けた具体的な事例にはどのようなものがありますか?
A2: 2026年8月の検証(記事3本、13件の指摘)では、自社名に対して掲載許諾を求める指摘や、数値を消去せざるを得なくなる指摘の2件を退けました。また、2026年9月の検証(記事3本、9件の指摘)では、確認できない管理画面の操作手順を「できる」と書くよう求める指摘の2件を退けています。
Q3: AIが作成した訂正文をそのまま使ってはいけないのはなぜですか?
A3: AIが提示する訂正文には、英単語が混ざり込んだり、受け取っていない顧客の声が勝手に書き足されたりする事例が実際に確認されているためです。事実と異なる内容の掲載を防ぐため、Miravitaでは自動公開の仕組みは用意せず、最終的な公開操作は人が行っています。詳細なご相談は、お問い合わせはこちらから受け付けております。


