SNSやWebサイトの運用において、画像の自動生成システムを導入する企業が増えています。しかし、システムを構築して実際に運用を始めると、文字化けや誤読、不自然な改行といった予期せぬトラブルに直面することがあります。これらの問題は、システム上のプログラムエラーではなく、選定したフォントの仕様や日本語特有の禁則処理の設計不足に起因することが多いです。本記事では、画像に文字を入れる仕組みを作る際に発生しやすい書体選定の落とし穴と、それらを防ぐための具体的な検証方法について、実際の事例をもとに解説します。
この記事を3行で解説
- 画像生成システムでは、フォントファイルの仕様によって文字化けや数字の誤読が発生するリスクがあります。
- 日本語の自動改行や文字溢れへの対策として、禁則処理の調整や人が判断する仕組みの構築が必要です。
- 画像内の文字は機械的な検査が困難なため、実際に描画して目視で確認する工程が要ります。
画像生成システムにおけるフォント選定の落とし穴
和文字の欠落による文字化け(豆腐現象)
画像生成システムを構築する際、使用するフォントファイルに和文が含まれているかを事前に確認する必要があります。サーバー側で画像に文字を描画する仕組みにおいて、指定したフォントファイルに必要な文字データが存在しない場合、文字が正常に描画されず四角い記号として出力されてしまうためです。
2026年8月、Miravitaでは実績のページからSNS用の画像を作る仕組みを社内で作りました。このシステムでは、サーバー側のGDという仕組みを用いて、フォントのファイルを渡して文字を描かせています。その際、Webサイトで使っているIBM Plex Monoというフォントを指定したところ、このフォントには和文の字が入っていなかったため、「自動車」という文字を描かせた段階で豆腐(□)になってしまいました。このように、Webサイト上の表示と画像生成システムでの描画は異なるため、使用するフォントがすべての対象文字に対応しているかを事前に検証することが求められます。
旧式数字による視認性と誤読の課題
数字の描画においても、フォントのデザイン特性が視認性に与える影響を考慮しなければなりません。一部の欧文フォントには、数字の高さや形状が不揃いになる旧式数字が採用されている場合があり、これが特定の数字をアルファベットと誤認させる原因になるためです。
Miravitaのシステム構築において、Cormorant Garamondというフォントを使用した際、その数字は旧式数字でした。この影響で、数字の0が小文字のoに見えてしまい、例えば「2026」という表記が「2o26」に読めてしまうという視認性の問題が発生しました。この結果を受けて、数値に関しては和文と同じ書体で描くという仕様変更を行いました。数字の誤読は情報の正確性を損なうため、意図した通りの形状で描画される書体を選定することが重要です。
自動レイアウトにおける禁則処理と文字溢れの対策
小書きの仮名と長音符を考慮した行頭禁則
画像内での自動改行を実装する際は、一般的な句読点だけでなく、小書きの仮名や長音符も含めた禁則処理の設定が必要です。不十分な禁則処理は、単語の途中で不自然な改行を引き起こし、読者の読みやすさを著しく阻害するためです。
Miravitaのシステム開発において、行の折り返し処理で句読点と閉じ括弧だけを行頭禁止に設定していたところ、「ミスマッチ」という単語が「ミスマ」と「ッチ」で改行されて割れてしまう現象が発生しました。この課題を解決するため、小書きの仮名と長音符を行頭禁止のルールに追加して修正を行いました。日本語の特性に合わせた詳細な禁則ルールを定義することが、自動生成画像の品質維持につながります。
文字溢れに対する自動切り詰めの回避
文字が指定の枠に収まらない場合、システム側で自動的に文字を切り詰める処理は行わないようにしています。テキストの末尾などを自動で切り落としてしまうと、文章の意味が変わり、本来伝えたかった内容と異なる情報が発信される恐れがあるためです。
Miravitaでは、文字が枠に収まらないときは自動で切り詰めず、システム側で警告を出して人が判断する作りにしました。これにより、文意が損なわれるのを防ぎ、適切な表現への調整を人間が介在して行えるようにしています。自動化に頼りすぎず、文意を守るための制御設計を行うことが運用の安全性を高めます。
画像生成の品質を担保する目視確認と検査体制
機械検査の限界と目視確認の必要性
画像化されたテキストの品質を担保するためには、実際に画像を作成して人間の目で確認する工程が要ります。画像の中に描画された文字は、テキストデータとは異なり、プログラムや機械による自動的な検査が困難であるためです。
Miravitaで発生した、フォントの欠落による豆腐現象、旧式数字による誤読、不自然な改行位置、文字溢れといった問題は、実際に画像を作って目で見て、初めて分かったものです。そのため、画像の中の文字は機械では検査しにくいという前提に立ち、人が確認する項目を書き出してチェックする体制を整えました。システムを構築する前に、一度実際に描画して目で見る検証プロセスを組み込むことが、トラブルを未然に防ぐ手段となります。
画像生成システムの構築や運用の進め方については、弊社のサービス紹介ページをご覧ください。また、Miravitaにおける開発の実績については、こちらの制作実績ページで紹介しています。自社での画像生成自動化やフォント選定に関するご相談は、こちらのお問い合わせ窓口よりご連絡ください。
よくある質問
Q. 画像生成システムで文字化けを防ぐために、開発 of 初期段階で確認すべきことは何ですか?
A. 使用予定のフォントファイルに、描画する予定のすべての文字(和文、欧文、記号など)が含まれているかを確認することが必要です。特にWebサイトで使用しているフォントをそのままサーバー側の画像生成処理に流用する場合、フォントファイルの仕様が異なり文字化けが発生することがあるため、実際の描画テストを行うことが推奨されます。
Q. 数字の誤読を防ぐために、どのようなフォント選定を行えばよいですか?
A. 数字の形状がアルファベットと混同されやすい旧式数字を採用しているフォントを避け、等幅や等高の数字がデザインされたフォントを選定することが有効です。または、数値部分のみを和文フォントと共通の書体で描画する仕様にすることで、誤読を防ぐことができます。
Q. 自動生成された画像の文字溢れや改行位置の不具合を、システム的に防ぐことは可能ですか?
A. 禁則処理のルールを細かく設定することで不自然な改行は防げますが、文字溢れに対して自動で文字を切り詰める処理を行うと文意が変わるリスクがあります。そのため、文字が枠に収まらない場合はシステムが警告を出し、最終的に人間が目視で確認して調整する運用フローを構築することが推奨されます。


