ウェブサイトのアクセス解析において、特定の指標が「0」を示しているとき、その原因を正しく把握できているでしょうか。数値が0であることには、計測の仕組み自体が機能していない場合と、仕組みは動いているものの対象となる行動が実際に発生していない場合の2つの要因が存在します。これらを取り違えたまま放置すると、施策の効果を判断すべき重要な局面で、必要なデータが蓄積されていなかったという事態に直面しかねません。本記事では、2026年9月17日に実施したMiravitaの自社サイトにおけるイベント検証の事例をもとに、数値が0件である原因を特定する方法と、計測漏れを防ぐための具体的な確認手順について解説します。
この記事を3行で解説
- アクセス解析で数値が0件のとき、計測の仕組みが動いていないのか、行動自体が起きていないのかを区別する必要があります。
- Miravitaの自社サイト検証では、設計した13種類のイベントのうち11種類が稼働し、2種類が0件であることを確認しました。
- 判断する日付が来てから計測漏れに気づいても過去のデータは取り直せないため、事前の突き合わせ確認が求められます。
アクセス解析で「数値が0」のときに発生する2つの要因
アクセス解析において、特定の行動を示す数値が「0」を示している場合、その要因には「計測の仕組みが動いていない」ことと「その行動自体が起きていない」ことの2通りが存在します。これらを取り違えたまま放置すると、施策の成否を判断する段階で重大な問題を引き起こす可能性があります。
数値が0であるという結果だけを見て、どちらの要因であるかを特定しないままにすると、実際には計測設定に不備があるにもかかわらず「ユーザーが行動しなかった」と誤認してしまうためです。例えば、特定のボタンがクリックされた回数を測定する仕組みが正しく設定されていなければ、どれだけユーザーがクリックしても数値は0のままです。一方で、設定が正しくても、実際に誰もクリックしていなければ数値は0になります。
したがって、数値が0である原因が、仕組みの不備なのか、それとも実際の行動が発生していないだけなのかを明確に区別して把握することが、データに基づく意思決定において極めて重要です。
Miravitaにおける自社サイトのイベント検証事例
Miravitaでは、自社サイトにおいてアクセス解析の設定状況を検証し、設計したイベントが正しく機能しているかどうかの確認を行いました。確認を行う前は、社内の資料に「イベントが実装済みかを確認していない」という未確定事項が記載されていたため、実際のデータをもとに現状を正確に把握する必要があったためです。
2026年9月17日、Miravitaの自社サイトにおいて、アクセス解析に届いているイベントの種類と件数を一覧で確認しました。ここでいうイベントとは、ウェブページの表示以外の出来事を記録する仕組みを指します。具体的には、問い合わせの送信や、特定の場所まで読み進めたこと、といった単位で記録を行うものです。この自社サイトでは、公開前に13種類のイベントを設計し、実装していました。
今回の検証において確認した期間は、2026年8月20日から9月16日までの28日間です。この28日間のデータを一覧で確認したところ、設計していた13種類のうち11種類は、実際にアクセス解析に届いていました。具体的には、ナビゲーションの選択が24件、実績の個別表示が26件記録されていました。Miravitaのこれまでの取り組みについては、こちらの実績からご確認いただけます。
一方で、届いていなかったイベントは2種類ありました。それは「問い合わせの完了」と「記事からサービス紹介への移動」です。このように、実際に届いているイベントの種類と件数を一覧で出力し、事前に設計していた13種類と突き合わせる方法をとることで、どの計測が機能しており、どの計測が0件であるかを明確に特定しました。
数値が0件だった2つのイベントにおける原因の特定
届いていなかった2種類のイベントについて詳細に調査した結果、これらは「仕組みが動いていない」のではなく、いずれも「その行動が起きていない」ことが原因であると特定されました。それぞれのイベントが発生する前提条件や、開発環境でのテスト結果を個別に確認したためです。
まず、1つ目の「問い合わせの完了」が0件だった原因についてです。2026年8月20日から9月16日までの28日間の期間において、自社サイトへの問い合わせ自体が1件も発生していなかったことが分かりました。計測の仕組みそのものについては、手元の開発環境で実際にフォームを送信し、正しく記録されることを事前に確認済みです。
ただし、本番の環境で問い合わせの完了が記録されることは、まだ確かめられていません。実際に1件目の問い合わせが届くまで、本番環境での動作は分からないため、この点は未確認のまま記録に残しています。もしサービスに関するご不明な点やご相談がございましたら、こちらのお問い合わせからご連絡ください。
次に、2つ目の「記事からサービス紹介への移動」が0件だった原因についてです。2026年8月20日から9月16日までの28日間の期間中、記事ページの閲覧そのものが2件しかなく、そこからサービス紹介ページへの移動が実際に起きていなかったため、数値が0件となっていました。
以上のことから、2種類のイベントが0件であった理由は、計測設定の不具合ではなく、期間中に対象となる行動が実際に発生しなかったためであると判断できました。
判断期日に「測れていなかった」と気づくリスクを防ぐために
数値が0件である理由を取り違えたまま放置すると、施策の評価を行うべきタイミングになってから「そもそも正しく計測できていなかった」という事態に陥るリスクがあります。アクセス解析において、過ぎ去った期間のデータは後から遡って取り直すことができないためです。
Miravitaでは、実施する施策ごとに「この条件に当てはまったら、その施策は外れていたと判断する」という条件と、その判断を下す日付をあらかじめ決めています。このように判断する日付が決まっている指標において、数値が0件である理由が「仕組みの未作動」なのか「行動の未発生」なのかを曖昧にしていると、判断日当日になって初めて計測漏れに気づくことになります。その結果、施策が有効だったのかどうかを検証するためのデータが一切存在しないという状況を招いてしまいます。
Miravitaが提供する支援の全体像や、具体的な施策の進め方については、こちらの進め方のページで詳しく紹介しています。意思決定のタイミングで確実なデータをもとに判断を下すためには、事前に設計したイベントと実際に届いているデータを突き合わせ、未確定な部分をなくしておくことが不可欠です。
よくある質問
Q1. アクセス解析における「イベント」とは何ですか?
A1. ウェブページの表示以外の出来事を記録する仕組みのことです。具体的には、問い合わせの送信や、特定の場所まで読み進めたこと、といった単位でユーザーの行動を記録します。
Q2. 数値が0件のとき、計測の仕組みが動いているかを本番環境で確認するにはどうすればよいですか?
A2. 実際にその行動を本番環境で発生させて記録されるかを確認する方法があります。ただし、問い合わせの完了などのイベントは、1件目の問い合わせが届くまで本番環境での動作が確かめられない場合もあり、その場合は未確認の事項として記録に残して管理します。
Q3. 計測漏れを防ぐための具体的な確認手順を教えてください。
A3. アクセス解析に届いているイベントの一覧を出力し、事前に設計したイベントの種類と突き合わせる方法で行います。これにより、設計通りのイベントが実際に届いているか、届いていない場合はその原因が仕組みの問題か行動の未発生かを特定できます。


