Webサイトの成果が出ないとき、多くの担当者は「問い合わせが来ない」という結果だけを見て一喜一憂します。しかし、その前に「そもそも人が来ていないのか」、それとも「来ているのに数えられていないのか」を明確に分ける必要があります。これを怠ると、的外れな改善施策を繰り返すことになります。本記事では、Miravitaの自社サイトにおける2026年8月31日から9月27日までの28日間の実データをもとに、Google Search Consoleとアクセス解析(GA4)の数値が一致しない理由を解説します。2つの道具の仕組みの違いを理解し、正しい判断基準を設けるための方法を提示します。
この記事を3行で解説
- 2026年8月31日から9月27日までの28日間で、Google Search Consoleのクリック数は5回、アクセス解析(GA4)でのGoogle検索経由の訪問は0件と、数値に乖離が発生した。
- 数値が合わない原因には、計測場所の違い、社内アクセスの除外設定、Cookie同意の有無、データの反映遅延など、複数の候補が存在する。
- 施策の成否を判断する際は、あらかじめどちらの道具の数値を基準にするかを決めておかなければ、判断日に意思決定ができなくなる。
問い合わせ不足を疑う前に確認すべき「2つの道具」の数値乖離
Webサイトの運営において、「問い合わせが来ない」という課題に直面した際、多くの担当者はすぐにサイトの導線改善やコンテンツの書き直しに着手しようとします。しかし、その判断は、実態とずれることがあります。なぜなら、そもそも検索結果から人が来ていないのか、それとも来ているのに正しく数えられていないのかを切り分けていないからです。この前提を整理しないまま施策を打つと、原因の特定がさらに難しくなります。
この事実を検証するため、Miravitaでは2026年8月31日から9月27日までの28日間、自社サイトについて2つの道具で数値を確認しました。ひとつはGoogle Search Consoleであり、もうひとつはアクセス解析(GA4)です。これら2つの道具が示す数値には、明確な違いが生じることが分かっています。それぞれの道具が何をどのように記録しているのかを正確に把握することが、データ分析の第一歩となります。
Miravitaの自社サイトにおける28日間の実測データ
実際に、2026年8月31日から9月27日までの28日間におけるMiravitaの自社サイトのデータを確認します。Google Search Consoleの記録によると、検索結果から自社サイトへのクリック数は5回と記録されていました。Google Search Consoleは、検索結果にサイトが表示された回数と、クリックされた回数を記録する道具です。
一方で、サイトに埋め込んだタグが訪問者の動きを記録するアクセス解析(GA4)のデータを確認すると、同じ期間における検索経由の訪問は1件のみと記録されていました。しかも、その1件はYahooからのアクセスであり、Google検索経由の訪問は0件と記録されていました。つまり、Google Search Consoleでは5回のクリックが記録されているにもかかわらず、アクセス解析(GA4)側ではGoogle検索からの訪問が0件になっており、数値が全く合わないという現象が発生しています。
なぜ数値が合わないのか?考えられる5つの候補
2つの道具で数値が合わないこと自体は、異常なことではありません。なぜなら、これら2つの道具は数える場所も条件も違うため、2つの道具は数える場所も条件も違うため、同じ数にならないことがあります。この2026年8月31日から9月27日までの28日間のデータにおいて、数が合わない理由として複数の候補が考えられます。ただし、この期間のデータだけでは、どの候補がどの程度影響しているかを確定することはできていません。
候補1:計測する場所とタイミングの違い
候補の1つ目は、計測を行う場所とタイミングの違いです。Google Search Consoleは、検索結果の画面側でユーザーがクリックした回数を記録します。これに対して、アクセス解析(GA4)は、ユーザーがサイトに到達し、埋め込まれたタグが読み込まれてから訪問を記録します。検索結果でクリックが行われたとしても、ページが完全に開き切る前にユーザーがブラウザを閉じるなどの行動をとった場合、Google Search Consoleにはクリックが記録されますが、アクセス解析(GA4)には記録が残りません。このように、計測する場所が異なるため、数値にずれが生じる可能性があります。
候補2:社内アクセスの除外設定
候補の2つ目は、社内からのアクセスを除外する設定の影響です。Miravitaの自社サイトでは、関係者によるアクセスをアクセス解析(GA4)の集計から除く設定を導入しています。この設定があるため、社内の関係者がGoogle検索を利用して自社サイトを開いた場合、Google Search Consoleには検索結果からのクリックとして記録されますが、アクセス解析(GA4)のデータには記録されません。この設定の違いが、数値の乖離を生む要因となっている可能性があります。
候補3:検索キーワードの性質
候補の3つ目は、検索キーワードの性質による影響です。この28日間にGoogle Search Consoleで記録された5回のクリックのうち、3回は「miravita」という社名での検索によるものでした。社名で検索を行うユーザーは、すでにこの会社を知っている人になります。このような、すでに認知しているユーザーによるアクセスが、計測される数値の偏りに影響を与えている可能性があります。
候補4:Cookie同意管理の設定
候補の4つ目は、Cookieの同意管理設定による影響です。Miravitaの自社サイトは、訪問者がCookieの同意を得てから計測を始める設定にしています。そのため、検索結果からサイトを訪問したユーザーがCookieの同意をしなかった場合、その訪問はアクセス解析(GA4)には記録されません。この設定により、アクセス解析(GA4)側の数値が少なく記録されている可能性があります。
候補5:データの反映遅延によるずれ
候補の5つ目は、データの反映までに生じる遅れの影響です。Google Search Console は、直近の数日ぶんがまだ反映されていない状態で表示されます。このため、2026年8月31日から9月27日までの28日間という特定の期間を区切って数値を比較した場合、データの反映タイミングのずれによって、集計対象となる数値がずれる可能性があります。
片方の数値だけを見て判断することの危険性
問題となるのは、これら2つの道具のどちらか一方だけを見てサイトの状況を判断してしまうことです。Google Search Console の数値だけを見ていると、実際よりも多くの訪問者が来ていると見積もることがあります。逆に、アクセス解析(GA4)の数値だけを見ていると、実際よりも少なく見積もることがあります。このような不正確なデータをもとに施策の評価を行うことは、誤った意思決定につながります。
このような誤った見積もりを防ぐために、Miravitaでは施策ごとに「この条件に当てはまったら外れていたと判断する」という条件と判断日をあらかじめ決めています。判断の対象となる数値をどちらの道具で数えるかを事前に決めておかないと、判断日に2つの異なる数字が出てきてしまい、施策の成否を決められなくなります。曖昧な基準でデータを見るのではなく、事前に計測ルールを厳格に定めておくことが求められます。
なお、今回挙げた5つの候補のうち、どれが実際に効いているかについては、問い合わせが実際に発生した時点で、そのときの記録を両方の道具で照らし合わせて確かめる予定です。この検証は2026-12-31に行う予定となっています。自社のWebサイトの成果を評価し、次の手を決めるには、どちらの道具のどの数値で判断するのかを先に決めておくと、判断の日に迷いません。具体的な進め方については、弊社のサービス提供プロセスにて詳しく解説しています。また、これまでの取り組みについては支援実績をご覧ください。さらに詳しいご相談は、お問い合わせ窓口よりご連絡ください。
よくある質問
Q1. Google Search Consoleとアクセス解析の数値はどちらが正しいですか?
A1. どちらか一方が正しく、他方が誤っているわけではありません。Google Search Consoleは検索結果画面での動きを、アクセス解析(GA4)はサイト到達後の動きを記録しており、それぞれ計測している場所と条件が異なるため、両方の数値を目的別に使用する必要があります。
Q2. 数値の乖離をなくすことはできますか?
A2. 計測の仕組みや条件が根本的に異なるため、2つの道具の数値を完全に一致させることはできません。乖離があることを前提とした上で、あらかじめ評価基準とする道具を決めておくことが重要です。
Q3. 2026-12-31の検証では何を明らかにしますか?
A3. 実際に問い合わせが発生した時点の記録をGoogle Search Consoleとアクセス解析(GA4)の両方で照らし合わせ、数値が合わない原因として挙げた5つの候補のうち、どれが実際に影響しているかを確かめる予定です。


